7月3日、待望の「トイストーリー5」が日本で公開されました。
30年間かけてシリーズ化されているトイストーリーは、シリーズ1・2・3には根強いファンが多く、特にトイストーリー3は、映画史上名を残す名作です。
トイストーリー3の完成度の高さから、その後の続編にはかなりの期待が寄せられ、その結果トイストーリー4では「結末が残酷」「今までのストーリを崩す」などといった、批判的な声も多く見受けられました。
そんな中公開されたトイストーリー5。公開初日から、SNSなどでは「感動した」「号泣だった」「今抱えている悩みと同じ!」などと、多くの感想が寄せられ、早くも大注目となっています。
その一方で、やはり「つまらない」「ひどい」といった、ネガティブな感想も多く寄せられています。
一体どの感想が、トイストーリー5に一番ぴったりとリンクしているのでしょうか?
当記事では、トイストーリー5を観て「なぜ多くの人がそのように感じるのか」をまとめました。以下一部ネタバレががあります。
1分解説|トイストーリー5のあらすじ
トイストーリー3から登場した内気な女の子、ボニー。ボニーはアンディから大切なおもちゃたちを引き継ぎ、毎日楽しく遊んでいました。
しかしある日両親から最新型の電子タブレット「リリーパッド」をプレゼントされます。タブレットを手にしたボニーは、おもちゃでは遊ばなくなり、画面に集中するあまり笑顔が失われていきます。
おもちゃたちは「もう自分たちは必要ないのでは?」と存在意義に悩み始めます。そしておもちゃたちが出した結論は、ボニーの笑顔を取り戻すために、新しい友達作りのお手伝いをすることでした。
ジェシーとおもちゃたちは協力をして、ボニーを導きます。そしてボニーは、タブレットに依存してしまうのではなく、人間の友達を作ることに成功し、笑顔を取り戻したというハッピーエンドのお話です。
現代のテクノロジー時代における「おもちゃの存在意義」や「子どもとの絆」をテーマに、深く掘り下げた感動的なストーリーとなっています。
トイストーリー5|「号泣」「感動」理由
ネット上で「号泣」「思い出すだけで泣ける」「感動した」などの感想を多く目にします。
泣ける主なシーンとして、
・ジェシーの回想シーン
・ボニーがいじめられているシーン
・リリーパッドとの和解後、全員で遊ぶシーン
などが挙げられます。
今作では、今までメインとしてあまり登場していないジェシーが主役です。今作で初めて知られる、ジェシーのバックグラウンドに、涙する人が多いのではないでしょうか。
またおもちゃの持ち主ボニーは、動かないおもちゃで遊んでいることがきっかけで、いじめられてしまいます。アンディの思い入れが詰まったおもちゃたち。そしてそのおもちゃを大切にするボニーの心境の変化や葛藤などに、涙する人が多いようです。
そして最後のシーンでは、おもちゃたちの手助けの元、様々な困難を乗り越え、笑顔を取り戻したボニー。その姿に感動の声が寄せられています。
トイストーリー3でも、最後はおもちゃと持ち主のアンディが、笑顔で遊ぶシーンが印象的でした。今回もいろいろな大変なことはありながらも、最後はみんなが笑顔になったラストに「良かった~」と安堵する人が多いようです。
トイストーリー5|「ひどい」「つまらない」理由
高い評価がある反面、「ひどい」「つまらない」「期待外れ」「続編いらなかった」など、マイナスな評価もかなり多く目にします。
その主な理由として、
・トイストーリー3が良すぎた
・問題提起に対しての答えが弱い
などが挙げられます。
シリーズの中で最も人気が高いトイストーリー3では、サニーサイト保育園からの脱出シーンのハラハラ感、ゴミ集客路で燃やされてしまう寸前のドキドキ感、そしてアンディとの別れ際の感動。誰もが夢中になり、気づくと涙がこぼれている名作です。
そのレベルでのスリル間や感動を求めてしまうと、やはり少し劣る感覚はあります。また多くの方が感じているように、トイストーリー1・2・3と、トイストーリー4・5は物語の雰囲気が少し変わって、また別のお話のような印象も受けました。
そのため、「前よりつまらない」などの感想が、目立つのではないでしょうか。
そして今回トイストーリー5で取り上げられたテーマは、「子どもにとっての電子デバイスの在り方」です。
現在、大人にとってはもちろん、子どもにとっても欠かさない存在となりつつある電子デバイス。特に「タブレットやスマホで動画を見る」という時間は、もはや子どもたちにとっての日常であります。電車やレストランなどの公共の場でも、画面に釘付けになっている子どもの姿は、多いですよね。
この現状に対し、周囲の人は「動画ばかり…」と、何となくマイナスなイメージがあるように感じられます。
子育て世代の親も、なるべくなら「動画などに依存してほしくない。でも頼らないとやっていけない」という想いに悩み、葛藤している人は多いはずです。
また、いつでもどこでも動画を見せることができる環境の中で、
・1日どのくらいの時間?
・何歳から?
・食事中も見せてもいい?
など、「子育てをする上での動画の在り方について」悩みは大きく、多岐に渡ります。
そんな中、大人気のトイストーリーシリーズ新作が取り上げた内容は、「タブレットに夢中になるあまり、笑顔が消える子どもを一体どのようにしたらいいのだろうか」ということ。
トイストーリーの新作というだけでも注目度は高いですが、現代の子どもの姿を写す内容に、更に多くの関心が集まりました。
そして出された答えは、「共存」です。おもちゃたちは、最新型タブレットに勝つのではなく、持ち主が笑顔になるよう友達作りのサポートをするという結論に至ったのです。
最終的に気の合う友達が見つかり、リリーパッドとも和解をして、全員がハッピーエンドという結果に落ち着きます。
この結果は、電子デバイスに依存する子どもをどうするかという大きな問題定義に対して、直接的な答えにはなっていませんよね。そのため、「根本的な解決策ではない」「結論が弱い」「たまたまボニーと気が合う友達ができただけ」「きれいごと」などと言われてしまうのでしょう。
多くの人は、恐らく「電子デバイスvsおもちゃたちの戦いの末、決定的な裏付けの元、やはりおもちゃたちに勝るものはない」という、答えが欲しかったのではないでしょうか。
トイストーリー5を観た個人的見解
トイストーリー5に対して様々な感想や意見が寄せられていますが、やはりトイストーリーの世界は面白かったと感じます。
確かにシーンごとに細かくと追及すると、「これはどうなの?」と思う場面もあります。しかし大前提として子どもが楽しむアニメーション映画なので、それで良いのでは?とも感じます。みんな最後は笑顔でハッピーエンド!というのもアニメーションだからこそです。
そして今回、何となく腑に落ちないラストだと感じるのは、問題定義に対してピクサーの出した答えが、「タブレットとの共存が現実」という内容だったからではないでしょうか。
この問題に対してはっきりと、「タブレットの依存は良くないから、○○して、おもちゃで遊ぶ方が楽しい!」という結果であれば、納得できたのかもしれません。
しかしこの誰もが知りたい「○○して」という部分を、ピクサーも明言できなかったのでしょう。現実は、電子デバイスに勝るものはなく、大人が使い方を調節して、在り方を決めていく必要があります。
そのため、「共存」という結論になったのではないかと考えられます。
トイストーリーの初公開は、30年前。トイストーリーと共に育ってきた世代は、丁度親世代になります。その親世代の人たちが、関心を持ち共感できるテーマだったからこそ、「電子デバイスに依存しない方法とは?」と答えを求めてしまうようにも感じました。
そして最後に、トイストーリー5を観て、やはり「友達の存在は大きくて素敵だな」と感じました。トイストーリーシリーズでは、「友情」を非常に大切にしています。「おもちゃ同士の友情」「持ち主との友情」、そしてその愛は決して変わらないものということが、映画の様々な場面から感じられます。
今までは、「おもちゃと誰かの友情」を描いていましたが、今作では「子ども同士の友情」を描いています。トイストーリーだからこそ、その点に納得のいかない人も多いようですが、やはり友情は良い物です。
電子デバイスに勝るものは、人間同士の関りから生まれる「友情や誰かを思いやる気持ち」なのかなと、感じる作品でした。ピクサーはこの作品を通して、「人との温かい関りに勝るものはない」ということを、伝えたかったのではないでしょうか。
トイストーリーは30年という長きにわたり、多くの人を魅了してきました。たくさんのファンがいて、その分期待値も非常に高い作品です。そのため、マイナスな評価も多く目にしますが、やはり「ディズニーいいな!ピクサーいいな!トイストーリー最高!」と感じる
人それぞれの現状によっても、映画の見え方や受け取るものは違います。あなたは、映画館でどのように感じるでしょうか。是非、トイストーリーの世界を全身で感じてみてください!
